自分軸U25

どんなことにもぶれない自分軸を持ちたいあなたへ送る仏教講師のブログ

あなたはだれ?

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ソフィーの世界


■本当の私とは?

(2)あなたはだれ?


「あなたはだれ?」


 もしこのように聞かれたら、

何と答えますか?

「私は、○○です。」

と、名前を答える人が多いでしょう。

「私は、○○学校に通っています。」

と、自分の立場を答える人も

あるかもしれません。


しかし、それは、私につけられた名前や

私の立場であって、私そのものでは

ありません。

 

私の時計、私の腕、私の足というように、

私の持ち物は認識していますが、

その所有者である「私」とは、

一体、何者なのか。

 


ソフィーの世界」という

ファンタジー小説をご存知でしょうか。

世界的ベストセラーになり、

映画化もされました。


ヨースタイン・ゴルデルという

ノルウェーの高校教師が、

青少年に哲学に関心を持ってもらいたい、

と書いた本で、哲学の入門書です。

 

この本の中で、

14歳のソフィーは考えます。

私の名前は、ソフィー・アムンセン。

だけど、これは私につけられた名前。

私そのものではないわ。


一体、私とは何なのか。

ソフィーは、「私」探しの旅に出ます。


道中、いろいろな哲学者と

出会うのですが、

この本を最後まで読むと、

本当の私が分かるのでしょうか?


残念ながら、

あくまでこの本は入口なので、

本当の私の答えは記されていません。

本当の私とは何なの?

と考えるきっかけにしてもらいたいと、

ゴルデルさんは、語っています。

 


しかし、自分のことは

自分が一番よく知っていると思いながら、

一番、分からないのが

自分なのかもしれません。

 

まさに

「知るとのみ 思いながらに 何よりも

  知られぬものは 己なりけり」

では、ないでしょうか。


なぜ自分のことなのに、

自分のことが分からないのでしょう?


それは、

「近すぎるから」だと言われます。


私たちの目は、

あまり遠くにあるものも

見ることができませんが、

近すぎるものも見えません。

 

例えば、目に一番近い眉を

見ることはできますか?

 

やってみられたら分かりますが、

見えません(笑)


見えた人は、余程、

長い眉毛なのでしょう。


これを昔から、

「目、目を見ることあたわず。

 刀、刀を切ることあたわず。」

と言われます。


どんなによく切れる名刀正宗であっても、

その刀自身を切ることはできません。

 

それと同じように、

私たちも近すぎて自分が見えないのです。

 

近いというよりも、自分そのものだから、

見ることができないのですね。


では、近いものを見る時には、

どうしたらいいでしょう?


自分の顔を見る時には鏡を使うように、

本当の私を知る時にも、鏡が必要です。

 

世の中には、自分を映す鏡が

三枚あると言われます。

 

それぞれどんな鏡なのか。

また、どのように

私の姿を映しているのか、

 

次回、話をしたいと思います。

 

 

ゴルデルさんが来日した際に、

テレビで広末涼子さんと

対談していました。

 

その時に、こんなメッセージを

残していたのが、

とても印象的でしたので、

最後に紹介します。

 

「この本には、西洋の哲学のことしか

 書かれていません。

 日本の若い人たちには東洋の哲学、

 仏教を学んでほしいと思います。」